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第5回公認心理師合格 F先生

2022年11月19日 合格体験記

私は、現在小学校の特別支援学級の教諭をしています。48歳で初めて教壇に立つという、教育界ではちょっと異例の新規採用でした。教員になるまでは、企業で事務、コミュニケーションの社会人講師など・・・主に人と関わる仕事をしていました。その頃、私の周りにはうつになる人が多く、いろいろ相談にのることもありました。ある時、ある人に言われました。「何にでも一生懸命で勉強熱心だけれど、これという核になるものがない。それを見つけたほうがいい。」と。そこで、40歳の時、ふと「今年は自分探しをしよう」と思い、大学の心理学部教育学科に編入入学しました。始めは、そのまま大学院に進み、臨床心理士を目指そうと思っていましたが、結局は小学校の教員になりました。心理学者のユングのライフサイクル論では、「40歳を人生の正午」と呼んだそうですが、私も40歳が人生の転機でした。今、やはり心理系の資格をもって、人々の心の支えとなることで今後の人生、社会貢献できればと考えるようになり、公認心理師試験を受験することになりました。

私なりの勉強法をお伝えしたいと思います。まず教材紹介です。ポルトクオーレのゼミと出会うまでに使ったのは、赤本だけでした。そもそも私が公認心理師の受験勉強を始めたのは、今年(令和4年)の2月でした。Gルートでしたので、現任者講習会を終えたのが、今年の2月始めで、そこからのスタートでした。その時点で7月17日の試験まで5ヶ月です。大きな本屋に行って、悩んだ末、赤本を購入、そして、店員さんに勧めてもらった、過去4回すべての問題が1冊になっている過去問集を予約しました。喜田先生が書かれた「忙しい人のための公認心理師試験対策問題集上・下」は、試験の1ヶ月くらい前に購入して、知識の定着に役立ちました。赤本を買ったその日に、1章から24章までを勉強する計画を立てました。1日1章やっても24日かかります。それに働きながらの勉強となると1日1章はとてもできません。知らない単語ばかりで頭に入らない。読んでも何のことかわからない。丸おぼえしようと思ってもそうはいかないものも多数ありました。赤本には、説明の後に問題と解説があるのですが、解説を読んでも理解できないものもありました。進まない・・・・、やりながら途方に暮れかけていました。あまりにも量が多く、「無謀だ!受験するのをやめようか。」「いろいろな単語が頭の中で混ざる。」と思いながらもどうにかやり続けていました。ちょうど赤本を1周終わった時は試験まであと2ヶ月しかないのに、先が見えていない状態でした。

その時、ポルトクオーレと出会いました。私の場合、始めたばかりのTwitterに、ほぼ毎日、公認心理師試験のポイントを端的にアップしているサイトがあり、それを見ていました。サルのアイコンが目印でした。ゴールデンウィーク間近のある日、「少年院は第5種まである」ということが書かれていました。少年法が改正になったことは知っていましたが、第5種少年院ができたことは知らず、今のテキストにもなかったので、Twitterに質問を入れてみました。そしたらすぐに返信をいただきました。そのサイトを書かれているのが喜田先生です。その迅速さと丁寧さに感激してお礼を言うと、ゴールデンウィークに無料で学習室を開くから参加してみてはと誘っていただきました。それがポルトクオーレとの出会いでした。学習室はzoomで朝の5時から夜の10時まで、なんと1日17時間も開いていました。恐る恐る入ってみた学習室にはホワイトボードがあり、喜田先生が出された問題が書かれてありました。ゼミの人がチャットにどんどん答えていき、みんなで答え合わせをしたり、今度はゼミ生が問題を出したりしていました。私は、まったくその問題を解くことができず、いかに勉強が進んでいないかを痛感しました。喜田先生は、「いろいろな言葉が頭の中でごちゃまぜになっていますね。まずは1日だけ無料でこの動画を見てください。」と連絡してくださいました。それが認知行動療法と精神症状のところでした。その動画を見た時、目からうろことはこのことです。なるほど、このゼミで喜田先生についていけばどうにかなるかもしれない。と希望がもてました。すぐに入会を決め、「特別パック」という、全部の動画にプラスして、事例対策講座や直前総まとめ講座もパックになっているものを申し込みました。お金もなかったけれど、独学ではこの試験勉強は無理だな、と思っていた時だったので迷いはありませんでした。それからは、各単元の資料をプリンターで打ち出す→動画を見ながら資料を読み、ラインマーカーを引く。資料の続きの確認テストをする。次の単元にいく。という順番で学習を進め、何をすればいいかが明確になりました。資料を見る順番も学習方法も私に合わせたやり方を喜田先生がアドバイスくださり、わからないことは学習室のチャットに入れるか、メールで聞くとすぐに丁寧に教えてくださいました。ゴールデンウィークはまとめて学習できるチャンスと思っていたので、その時にポルトクオーレと出会えて本当によかったと思います。余談ですが、大阪に551の蓬莱があり、豚まんが有名です。そのコマーシャルに豚まんがある時「わはははは」、ない時「しょぼーん」というのがあるのですが、私の場合、ポルトクオーレに出会う前「しょぼーん」、出会ってから、「わはははは」という感じでした。無謀から絶対合格したい!という気持ちに変わりました。

勉強は、平日は朝3時半に起き、ストレッチやエネルギー補充をして4時から6時までテキスト中心に勉強しました。学習室のホワイトボードの問題、教材の問題(公認と臨床の過去問を解く)を机上でやりました。あとは通勤の電車の中では、立っている時は単語帳、座っている時はテキストで勉強しました。1日4時間ぐらいでした。とにかくわずかなすき間時間も勉強時間にあてました。電車で眠たくなってもよほどでない限り寝ないようにする、歩きながらも動画をイヤホンで聞くなどできることをしました。毎日予定表を確認、チェック、修正、夜寝る前は朝一番にするページを開いておくようにしました。休日は、食事以外はほとんど勉強時間にあてました。10時間はしていたと思います。

せんえつですが、来年度受験される方に私なりのアドバイスをさせていただきたいと思います。まず、学習教材を決め、予定を立てるです。学習教材はポルトクオーレのテキストだけです。ポルトクオーレのテキストは、①認知行動療法②心理療法③心理査定④精神症状⑤関係行政論⑥統計⑦基礎心理に分かれています。それと事例問題です。①から⑦のどれもテキストと動画、その部分の問題とその解説動画があります。私は、動画を見る。(1日)確認テストをして、確認テストの解説動画を見る。(次の1日)というように進めました。がんばれば2週間で一通りできます。動画と問題をセットで行うと、学習したことを次の問題で解けた!というのを実感できますし、わからなければ資料を読み直したり、動画を見直したりできます。動画は見ながらテキストにラインマーカー(最重要語句、人名と色分け)を引きます。喜田先生の声のトーン・速さに注目して、何が特に重要かをつかみます。喜田先生は、5つ以上のものは語呂合わせや覚え方を教えてくださるので、それをメモします。例えば、中井久夫さんの風景構成法の10個は、川・山田、道家さん、家をダブらせて、ハウスキーパーソン、花、生き物、石と覚えました。通勤途中や歩く時のイヤホン動画は慣れてくると、1.2倍、1.5倍速で聞いていました。喜田先生の話し方は、滑舌もよく、とてもわかりやすいので、動画を見なくても聞くだけで理解できたり、確認できたりすることが多くありました。

 次に、自分なりの勉強法を見つけるです。私は、ポルトクオーレの動画を見て、資料を読み、単語帳に必要な用語を書き込みました。作った単語帳は通勤電車で座れない時や乗り継ぎの時に見ました。とにかく、わずかなすき間時間も無駄にしない精神でした。単語帳はまるで昭和の勉強法のようですが、私にとってはすき間時間活用や学んだことの確認に必要でした。同時にノートも作りました。私は、覚えが悪いので、昔から言われているように、読んで、線を引いて、書いて、また読んで、という反復しか習得していけませんでした。また、単語帳やルーズリーフ(ノート)には、覚え方も書きこみました。例えば、認知症の重症度をみる検査は<CDR>で、「CD聴いて重症65歳」と、覚え方も書きました。ADASは、アルツハイマー型認知症の検査ですが、「エイダスアルツ」というように覚え、それも書き込みました。脳の仕組みや神経のところは覚えにくいので、絵にかいて壁に貼りました。どこまでも、や、すべてを追求しないで、喜田先生が「覚えましょう」と言うところを覚えました。2つ覚えるよりどちらか一つを覚えます。たとえば、脳のブローカーとウェルニッケは、「ブローカー前」と覚え、ブローカーは前頭葉、だからウェルニッケは側頭葉、と言うように。ほかにも、うつ病や認知症などの精神症状の薬名や副作用、心理査定の検査名と尺度などは、テキストと動画を基に、自分なりの表を作成してそれも壁に張り出して毎日見て覚えました。カタレプシーとカタプレキシーなどややこしいのは、最後まで覚えにくかったのですが、カタレプシーは5文字で、5文字の方は統合失調症の昏迷というように、どちらかを覚えました。これも喜田先生流の覚え方です。ちなみに、カタプレキシーは、ナルコレプシーに見られる情動脱力発作です。

事例対策はしっかりと行います。ご存じだと思いますが、事例問題は、午前77問中19問、午後も同様で、1問3点です。この事例問題をすべて正答できれば、午前・午後各3点×19問で57点、57×2で114点あります。これをものにしないと合格が遠のきます。私はポルトクオーレの事例対策講座+過去問で対応しました。ポルトクオーレの事例対策講座は、教育、福祉、統計・研究法、司法、医療、産業と分けて、朝9時から夕方5時半くらいまで1日中ありました。その動画をしっかり聞いて問題を解くことでずいぶんこつがつかめました。これは本当におすすめです。

次に、自分の得意分野、苦手分野を知るです。私は、始め、認知行動療法も認知療法との違いも知りませんでした。赤本を読んでも認知行動療法のことは?(はてな)が飛んでいました。でも、喜田先生が認知行動療法は、普通の問題も事例問題も問題として作りやすく、過去問にも多く出題されているので、これを絶対押さえないといけないとおっしゃっていたので、まずは取り組みました。学習を進めるうちに、認知行動療法どころか、精神症状も心理療法も苦手とわかりました。考えてみると、統計も、最後にとりかかった基礎心理もとてつもなくわからないことに気付きました。喜田先生が「ぼくを信じてください。」とおっしゃってくださっていたので、そのお言葉を信じて、とにかくテキストにあることを中心に覚えていきました。

学習室やライングループでの仲間の存在が大きな心の支えになりました。学習室のホワイトボードには、朝一番に喜田先生が「マインドフルネス」の言葉を書いてくださいます。毎日です。毎朝、それを読んで心が洗われたような気持になり、「がんばろう」と思ったものです。

気を付けたことは、体調管理です。睡眠時間は、6時間と決めました。6時間を切ると体がもたないと思いました。あと、毎日のストレッチ、集中できるように、ラムネやバナナ、甘酒(生姜入り)、サプリメントをうまく組み合わせしました。

ラスト1ヶ月は時間を計り過去問を解く!!をお伝えしたいです。ポルトクオーレの教材の中には、マークシート用の答案用紙、縦と横バージョンのどちらも用意してあります。試験ではどちらになるかわからないので、両方で練習をしました。過去問は、解いて答え合わせをするだけではなく、間違ったところや正当ではない対等の理由がわかるようにしておきます。先ほど紹介した過去問集は、丁寧な説明があるのでお勧めです。

私が信念としたことは、絶対にあきらめない、毎日必ず勉強するです。心の支えとなったのは動画の中で喜田先生がおっしゃった言葉の数々です。

・過去問を解いて、実況中継できるぐらいになってください。

・答えがわかるだけではなく、ほかの選択肢がなぜ違うのか、またほかの選択肢の答えは何かまでわかるように。

・「知らない言葉は必ず出てきます。」「あと1ヶ月、過去問でーす。」「捨て問でーす。」

・私が(喜田先生)がこの講座をしているのは、試験に通って、その後、いろいろな事例や認知行動療法などで共に勉強したり、討論したり、切磋琢磨したいからです。一緒に活動したいからです。そのためには合格してください。

・皆さんなら大丈夫です。「すべるわけがない。」「すべるほうが難しい。」「希望をもって。「信じてください。必ず通ります。」

・最後2週間で伸びます。

・あと2か月で試験の時、喜田先生からメールをもらいました。「趣味や他の用事はすべて後回し。勉強します。動画を聞き流します。問題を解きましょう。」

・臨床も公認も一緒。

最後に、来年受験される皆様へ

喜田先生のおっしゃる通り、知らない言葉は絶対に出てきます。でもこれどうだろう?と思うことを少し突っ込んで調べて置いたり整理しておいたりすることは大切だと思います。今年度、正直難しかったように感じます。テキストを丸おぼえだけでは合格点にたどり着けなかったかもしれません。理解と共に頭の中で整理できているか、実践レベルを問われている問題も多かったです。たとえば、事例でも、今までのように、語尾や他の選択肢だけでは判断できないものがほとんどだったように思います。広げすぎる必要はありませんが、これはと思うことは、教材だけではなく、ネットや他の本などで調べていたことが正当に結び付けたものもありました。

臨床心理士という資格がありながら心理系の国家資格がこの現代に作られた意義を考え、これをもっていないとこれからの心理職として生きていくのは大変だと思うし、世の中の需要がある、心の問題は現代の重要課題だからこそできた資格だろうということをしっかり認識する必要があると私は考えます。

あきらめなければ 夢はかなう。強い信念でがんばってください。